
ロストシティ|その冒険、本当に出発して大丈夫でっか?採算とれまっか?
さあ、冒険に出かけましょう!
……と言いたいところなんですが、ロストシティでは、そう簡単にはいきません。
目の前には、未知の世界へ続く5つの探検ルート。
手札には、まだまだ頼りないカード。
「うーん……もうちょっとカードが揃ってからにするか。」
なんてモタモタしていると、今度は相手に欲しいカードを持っていかれます。
「ちょっと待て!それ欲しかったやつだぞ!」
そんなことが普通に起こります。
ロストシティは、2人用のシンプルなカードゲームです。
ルールだけを見ると、かなり簡単です。
カードを出して、1枚引く。
基本的にはこれだけ。
ところが、実際に遊んでみると……
「いや、これ結構悩むぞ!」
となります。
なぜなら、このゲームでは「いつ冒険に出るのか」がものすごく重要だからです。
冒険に成功すれば、大きな得点が入ります。
でも、失敗すればマイナス点。
さあ、どうしましょう。
行きますか?
それとも、もう少し待ちますか?
ロストシティってどんなゲーム?
ロストシティは、名作ゲームを数多く生み出しているゲームデザイナー、ライナー・クニツィアによってデザインされた2人用カードゲームです。
プレイヤーは探検家となり、5つの未知なる場所へ探検に挑みます。
それぞれの探検ルートには、数字の書かれたカードがあります。
カードを順番に出して探検を進めていき、最終的に集めたカードの数字を使って得点を競います。
ここだけ聞くと、
「数字のカードを集めればいいんでしょ?」
と思いますよね。
ところが、そう簡単ではありません。
この探検、出発するだけで20点の費用がかかるんです。
つまり、ろくに準備もせずに探検へ出発すると……
普通に赤字になります。
「ちょっと遺跡見てきまーす!」
なんて軽い気持ちでおにぎりこさえて出発したら、帰ってきたときには大赤字。
恐ろしい探検です。
カードをつなげると、そこには冒険がある
僕がロストシティで特に好きなのが、カードに描かれた絵です。
各探検ルートのカードには、それぞれ違った風景が描かれています。
そして、同じ色のカードを2から10まで順番につなげて並べてみると……
小さなカードの中に描かれていた風景が、ひとつの大きな絵としてつながっていくんです。
これが、なんともいいんですよ。
もちろん、1枚ずつ見れば小さな絵です。
でも、それを順番に並べていくと、
「ここから探検が始まって……」
「少しずつ奥へ進んで……」
「そして、最後にはここへ辿り着いたのか。」
なんて、勝手に想像が膨らんできます。
ゲームとしては、数字のカードを順番に出しているだけです。
でも、そのカードをつなげて眺めていると、数字ではなく「旅の道程」に見えてくる。
カードを1枚出すたびに、探検が少しずつ先へ進んでいく。
そう考えると、普段なら「7を出そう」「次は9だな」としか考えないカードが、急に意味を持って見えてきます。
小さな絵に分割されているからこそ、そこへ辿り着くまでの時間や出来事を想像できる。
一枚の大きな絵を見せるのではなく、あえて分割することで「その場所までの冒険」を感じさせてくれる。
僕は、この仕掛けがロストシティの魅力のひとつだと思っています。
点数を競うゲームなのに、カードを並べているだけで、
「この先には何があるんだろう?」
と想像してしまう。
そんなところにも、ロストシティというゲームの名前に似合った、冒険の空気がちゃんと詰まっているんですよね。

5つの探検ルートへ出発!
ゲームでは、5種類の探検ルートがあります。
各探検ルートには、数字カードだけではなく、得点を倍増させる「挑戦カード」があり 、手札からカードを出すことで探検を進めていきます。
ただし、ここには重要なルールがあります。
一度出したカードより、小さい数字のカードは後から出せません。
例えば、
「3 → 6 → 8」
と出したとします。
このあとに、
「やっぱり5もあったわ!」
と言って5を出すことはできません。
もう8まで行っちゃってますからね。
つまり、カードを出す順番がとても重要なんです。
「この5、今出しちゃう?」
「いや、もっと大きいカードが来るまで待つ?」
「でも待ってる間に相手に取られたら?」
……と、手札を眺めながら悩むことになります。
基本は「1枚出して、1枚引く」
自分の番にやることは、いたってシンプルです。
カードを1枚出します。
そして、
カードを1枚引きます。
これだけです。
ルール説明だけなら、そんなに時間はかかりません。
ところが、遊び始めると急に頭を使います。
「このカード、どこに出そう……。」
毎ターンこれを考えることになるからです。
しかも、カードを出す場所によって、その後の展開が大きく変わります。
シンプルなルールの中に、かなり悩ましい選択が詰まっているんですよね。
捨て札がまた悩ましい
ロストシティでは、カードを捨てることもできます。
そして、捨てられたカードは探検ルートごとの捨て札置き場に置かれます。
ここがまた面白いんです。
「あっ、そのカード欲しかった!」
というカードを相手が捨てることがあります。
当然、こちらは拾えます。
……でも、それを拾った瞬間、
「あ、こいつ、この探検ルート狙ってるな」
と相手にバレます。
逆も同じです。
相手が欲しそうなカードを自分が持っていたら、捨ててあげる必要なんてありません。
自分では使わなくても、
「これは相手に渡したくないから持っておこう」
という判断も出てきます。
ただカードを集めるだけではなく、相手の動きを見ながら考えるわけです。
このあたりから、だんだん探検というより心理戦になってきます。

「冒険に出る」という決断
ロストシティで一番悩ましいのが、やっぱりこれです。
いつ探検を始めるのか。
例えば、ある探検ルートのカードを何枚か持っていたとします。
「これならいけそうだな。」
そう思って探検を開始します。
ところが、その後まったく欲しいカードが来ない。
数字も伸びない。
気がつけば、探検にかかった20点の費用を取り返せそうにありません。
「あれ……これ、失敗したんじゃない?」
そうなってしまうことがあります。
逆に、
「もうちょっと待って、カードが揃ってから始めよう。」
と我慢していると、今度は相手に欲しいカードを取られてしまうかもしれません。
つまり、
待ちすぎてもダメ。
早すぎてもダメ。
この判断がロストシティの面白いところです。
探検には20点の費用がかかります
ここはロストシティを遊ぶうえで、かなり大事なところです。
探検を始めたルートには、最終的な得点から20点の費用がかかります。
例えば、その探検ルートで30点分のカードを集めたとします。
30点 − 20点で、
最終的には10点です。
逆に、10点分しか集められなかったら、
10点 − 20点で、
−10点です。
そうなんです。
「せっかく探検したのにマイナス!」
ということが普通に起こります。
これがあるから、
「とりあえずカード出しとくか」
では済まされないんですよね。
挑戦カードで大勝負!
さらに、各探検ルートには、数字カードだけではなく、得点を倍増させる挑戦カードがあります。
これがまた怖い。
うまく使えば、得点を大きく伸ばすことができます。
「よし、この探検は絶対いける!」
というときには、かなり強力です。
しかし、失敗した場合はどうなるでしょう。
そうです。
マイナスも大きくなります。
「この探検、いける!」
という自信があるなら大きく勝負。
「いや、ちょっと怪しいな……。」
というときに欲張ると、大変なことになります。
人生と一緒ですね。
……いや、ゲームの話です。
点数計算はちょっとドキドキ
ゲームが終わったら、5つの探検ルートをそれぞれ計算します。
まず、そのルートに出した数字カードの合計から20点を引きます。これが基本点です。カードを1枚も出さず、探検をしていない場合は0点になります。
さらに「挑戦カード」を出していた場合は、1枚なら2倍、2枚なら3倍、3枚なら4倍。マイナス点も倍になるので注意です!
そして、1つのルートに8枚以上のカードを出していれば、最後にボーナスとして20点が加わります。
つまり、
(数字カードの合計−20)×挑戦カードの倍率+8枚以上なら20点
という計算です。
「たくさん出せば高得点!」とは限らないのがロストシティ。
冒険に出るか、引き返すか。この判断が最後の得点に響いてくるんです。
ロストシティは「引き際」が大事
何回か遊んでいると、だんだん分かってきます。
ロストシティで大切なのは、
どうやって得点するかだけではありません。
むしろ、
「どこで諦めるか」
がかなり重要なんです。
「あと1枚来ればいける!」
「ここまで待ったんだから、もう少し……。」
こうやって粘っているうちに、気がつけばゲーム終了。
そして得点計算。
−20点。
「……最初からやらなきゃよかった。」
あります。
めちゃくちゃあります。
でも、次のゲームになると、
「今度こそいける!」
となるんですよ。
これがロストシティの恐ろしいところです。
相手の動きを読むのも楽しい
自分の手札だけを見ていても勝てません。
相手がどの探検ルートにカードを出しているのか。
どんなカードを捨てているのか。
どの捨て札を拾ったのか。
これを見ながら、
「もしかして、あっち狙ってる?」
と考えます。
例えば、相手がずっと赤い探検ルートのカードを集めている。
そうなったら、
「じゃあ、この赤いカードは捨てないでおこう。」
という判断もできます。
自分にとって必要じゃなくても、相手に渡したくない。
こういう小さな嫌がらせ……いや、戦略ができるんです。
シンプルなのに、毎回違う
ロストシティのルールは、本当にシンプルです。
カードを出す。
カードを引く。
これを繰り返します。
それなのに、毎回まったく違う展開になります。
今回は、
「この探検ルートが大成功!」
だったのに、
次のゲームでは、
「全部失敗したんですけど……。」
なんてこともあります。
カードの引き運もあります。
相手の動きもあります。
自分の判断ミスもあります。
だからこそ、
「もう一回やってみよう」
となるんですよね。
そして次のゲームでは、
「今回は慎重にいくぞ!」
と言いながら、結局また無茶をする。
それもロストシティです。
こんな人におすすめです
ロストシティは、こんな人におすすめです。
- 2人で遊べるゲームを探している人
- ルールが簡単なゲームが好きな人
- 短時間で遊べるゲームが好きな人
- 運だけではなく、自分で判断するゲームが好きな人
- 相手との読み合いが好きな人
- 「あと1枚だけ……」と粘ってしまう人
- クニツィアのゲームを遊んでみたい人
特に、
「簡単なルールで、しっかり悩みたい」
という人にはかなりおすすめです。
ルールは簡単。
でも、選択は簡単じゃない。
このバランスがロストシティの魅力だと思います。
まとめ――冒険には、引き際が必要です
ロストシティは、見た目だけなら、とてもシンプルなカードゲームです。
カードを出して、カードを引く。
基本はこれだけです。
ところが、その中には、
「今、探検を始めるべきなのか?」
「もう少し待ったほうがいいのか?」
「このカードは自分のために取っておくべきなのか?」
「それとも相手に渡さないために持っておくのか?」
そんな判断がぎっしり詰まっています。
そして、最後に待っているのは、
大成功か、大失敗か。
あるいは、
「あと1ターン待ってれば……。」
という後悔です。
でも、それも含めて冒険なんですよね。
準備が完璧になるまで待っていたら、冒険には出られません。
かといって、何も考えずに飛び出したら遭難します。
ロストシティは、そんな**「行くか、やめるか」**の判断を、カードゲームにギュッと詰め込んだゲームです。
さあ、荷物をまとめましょう。
未知の土地へ向かう準備はできました。
ただし――
その冒険、本当に採算取れますか?


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