TOKYO HIGHWAY2nd edition|道路を作って、車を走らせて、そして崩す(崩したくて崩しているワケじゃありません)!

今回ご紹介するのは、**TOKYO HIGHWAY(トーキョーハイウェイ)**です。
名前のとおり、東京の高速道路をテーマにしたボードゲームなのですが……
普通のボードゲームを想像してはいけません。
なんとこのゲーム、テーブルの上に本当に高速道路を作ります(生コンも鉄筋も使いません)。
道路カードを置くわけでも、ボードに道路を描くわけでもありません。
柱を立てて、その上に道路を渡します。
さらにその道路をまた別の高さに渡して、相手の道路と交差させていきます。
つまり、ゲームをしながら、
自分たちの目の前に立体的な高速道路が出来上がっていく
というゲームなのです。
■ 私が買ったのは「2nd Edition」です
今回、私が購入したのはTOKYO HIGHWAY 2nd Editionです。
TOKYO HIGHWAYにはいくつかのバージョンがありますが、この2nd Editionは、初版をもとにコンポーネントを少し大きくして、より遊びやすくしたバージョンです。
ルール説明書も見直されていて、初版より分かりやすくなっています。
そして、それに合わせて箱も少し大きくなっています。
中に入っているのは、道路や柱、車などの木製パーツ。
私の持っている2nd Editionでは、
- 道路 ×30
- グレーの柱 ×60
- 黄色の柱 ×6
- 車 ×20(2色各10台)
- ピンセット ×2
などが入っています。
道路や柱は、ただ置くだけのゲームパーツではありません。
実際に柱を立て、その上に道路を渡していくので、ゲームが進むにつれて本当に立体的な高速道路になっていきます。
ちなみに2nd Editionは基本的に2人用です。
3~4人で遊ぶ場合は、別売りの「Hello! Expansion Package」を追加することで対応できます。
■ まずは、どんなゲーム?
プレイヤーはそれぞれ自分の色の道路と車を持ちます。
やることはシンプル。
自分の手番になったら、柱を配置して、その柱を使って道路を建設します。
そして、自分の道路が相手の道路と交差するように作ることができれば、そこに自分の車を置くことができます。
つまり、
道路を作る。
↓
相手の道路と交差させる。
↓
車を置く。
という流れです。
そして、先に自分の車をすべて配置できたプレイヤーが勝利となります。
ルールそのものは、そこまで複雑ではありません。
ところが、このゲーム。
実際にやってみると、思った以上に頭を使います。
■ 高さが重要です
TOKYO HIGHWAYの面白いところは、道路が平面ではないことです。
道路には高さがあります。
相手の道路より上を通したり、下を通したりしながら、道路を交差させていきます。
「ここに道路を置けば交差できる!」
と思っても、
「あれ?高さが合わない……」
となったりします。
そこで柱の高さを考えたり、どこに柱を置くかを考えたりするわけです。
さらに、うまく道路を交差させることができれば、車を配置できます。
ですから、
「自分の道路をどう作れば、効率よく車を置けるのか?」
を考えることが重要になります。
見た目はかなり立体的ですが、ちゃんとゲームとしての戦略もあるのです。
■ そして、ゲームが進むほど東京になる?
最初はテーブルの上に、ちょこっと柱と道路があるだけです。
ところが、ゲームが進むにつれて道路が増えていきます。
上に伸びて、
下をくぐって、
交差して、
さらに別の道路が伸びていく。
気がつけば、
「おお……東京っぽい!」とは…なりません!
概念としての東京ですね!
ですが、この「ゲームをしながら景色そのものが変化していく」というところが、TOKYO HIGHWAYの大きな魅力です。
■ 作者について
このちょっと変わったゲームを作ったのは、シマモト・ナオタカさんとトミオカ・ヨシアキさんです。
ゲームデザインは2人で担当し、トミオカさんはグラフィックデザインも担当しています。
そして、シマモトさんについて調べてみると、非常に興味深いことが分かります。
シマモトさんは、大学で彫刻を専攻していたそうです。
……これを知ると、
「なるほど!」
となります。
普通のボードゲームなら、まず盤面やカード、ルールなどを考えていくことが多いと思います。
ところがシマモトさんは、物体や形、空間、物理的な現象からゲームを考えるという発想を持っています。
TOKYO HIGHWAYも、最初から「東京の高速道路をゲームにしよう」と考えたわけではありません。
まず立体的な空間を作り、そこから、
「この空間をゲームにするにはどうすればいいだろう?」
と考えていったそうです。
そして、そこに高速道路というテーマが結びついていきました。
これは、TOKYO HIGHWAYの見た目を考えると、かなり納得できます。
道路がカードではなく、本当に立体になっている。
柱も道路も実際の「物体」です。
プレイヤーが手で動かし、空間を作っていく。
まさに、彫刻を専攻していたシマモトさんらしい発想なのかもしれません。
■ ゲームなのに、最後には作品が残る
TOKYO HIGHWAYには、もうひとつ面白いところがあります。
ゲームが終わったとき、テーブルの上には、そのゲームで作られた立体的な高速道路が残ります。
同じルールで遊んでも、毎回まったく同じ形になるわけではありません。
プレイヤーがどこに柱を置いたのか。
どの高さに道路を渡したのか。
どこで相手の道路と交差したのか。
それによって、毎回違う「東京」が出来上がります。
シマモトさんは、こうしたゲームによって生まれる空間を、ある意味で参加型のアートとも捉えています。
ゲームを遊ぶことそのものが、ひとつの立体作品を作る行為にもなっているわけです。
こう考えると、ただの「道路ゲーム」とは少し違って見えてきます。
■ では、実際にやってみましょう
というわけで、実際に遊んでみました。
ルールを聞いたときは、
「なるほど。柱を立てて道路を置いて、交差させればいいんですね」
くらいに思っていました。
最初は順調です。
柱を立てて、
道路を置いて、
相手の道路との交差を狙っていきます。
ところが、道路が増えてくると話が変わってきます。
置きたい場所が狭い。
柱を置く場所がない。
高さを合わせないといけない。
しかも、すでに作った道路に手をぶつけないようにしなければなりません。
ここで登場するのが、
手の震えです。
■ とにかく手が震える!
これが想像以上でした。
「ここに置けばいいな」
と思って、道路を持ちます。
そして慎重に近づけます。
プルプル……。
「頼む、俺の手……!」
さらに慎重に置こうとします。
カタッ。
「おおっ!」
なんとか耐えたと思ったら、
ガシャーン!!
……崩れました。
しかも恐ろしいのは、崩れたら終わりではないことです。
当然、復旧しなければなりません。
「よし、まずここを直して……」
と触った瞬間、
カタッ。
「あっ。」
さらに別のところが、
ガシャーン!!
……。
復旧作業中に二次災害です。
昨日はこれを何度も繰り返しました。
最終的には、何とか形にはなりました。が、実際この高速道路付近に人が住んでいたら度重なる崩落に注ぐ崩落、もう高速はつくらんでいいから安心した市民生活を送らせてくれと投書箱がパンパンに膨れ上がることでしょう。
■ でも、それが面白い
ここがTOKYO HIGHWAYのすごいところです。
普通のボードゲームなら、自分がミスをしても盤面の上で「駒を間違えて置いた」というだけです。
TOKYO HIGHWAYの場合、
本当に崩れます。
しかも、自分が苦労して作った道路が目の前で崩壊します。
そして、その瞬間を目の前で見ています。
「うわぁぁぁ!」
「触った!」
「今のは不可抗力!」
「いや、完全に触った!」
なんて言いながら、また直します。
もう完全にジェンガの緊張感、作り直さなければいけない絶対強制Rebuild。
もうゲームなのか、建設現場なのか分からなくなってきます。
でも、それが楽しいのです。
■ まとめ
TOKYO HIGHWAYは、立体的な高速道路を作りながら遊ぶ、ちょっと変わったボードゲームです。
ルールは比較的シンプルですが、
どこに道路を作るのか。
どの高さにするのか。
どうやって相手の道路と交差させるのか。
と、ちゃんと考えるところがあります。
そして、作者のシマモト・ナオタカさんが彫刻を専攻していたことを知ると、なぜこのゲームがこんなにも「立体」にこだわっているのかが、なんとなく分かる気がします。
ただし。
実際に遊ぶと、戦略以前にもうひとつ重要な能力が必要です。
手先の安定性です。
私はそこが完全にダメでした。
作る。
崩す。
直す。
触る。
また崩す。
そして、また直す。
それでも楽しい。
ゲームが終わったあと、テーブルの上にある高速道路を眺めながら、
「いやぁ、よく遊んだなぁ」
と思えるゲームでした。
TOKYO HIGHWAY。
東京を作るのは、思っていたより大変です。
特に手が震える人には。


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